お家づくりの実例&ヒント集トップへ戻る

仕上げ1
-壁・天井の素材の選び方-

床のフローリングは合板か無垢材かどっちかな?
壁と天井の仕上は壁紙の中から選ぶんでしょ?ちょっと頑張って珪藻土かな?

一般的に知られている仕上の選択肢といえば大体こんな感じでしょうか?

ほんとはとても奥が深い各部の仕上げ。

ここでは、私たちが特にこだわっている漆喰や土壁などの自然素材のお話などを中心に壁・天井の仕上げについてご紹介します。

  



<壁・天井>

 ・壁紙仕上

 ・ペイント仕上

  ・珪藻土仕上

  ・漆喰仕上

  ・土壁仕上



・壁紙仕上

ビニルクロスを代表とする壁紙ですが、ここでは大きく3つに分けてご紹介します。

①量産品ビニルクロス

②一般のビニルクロス

③それ以外のクロス(価格が高め)


②が皆さんがいちばん目にするビニルクロス。

今は、各メーカーからいろんな色や柄のものが出ていて何百と種類があります。

有名なキャラクターのものや色柄にこだわったものも、ほとんどのものが均一価格なので、本当に関心してしまいます。

個人的には、無地系はサンゲツ。柄物はリリカラのものが種類が多くておすすめです。

①は②程数のバリエーションが無く、色柄も限られたビニルクロスで、大量生産で価格を落とした商品。

③でいうその他のクロスもたくさんの種類があります。

例えば、糸を編んで作られた布クロス。ビニルクロスで見られるてかりがなく風合いがよいのが特徴です。

他には、和紙でできた和紙クロスなどもあります。光を柔らかく反射してくれて、和室などに使うと、とても上品な仕上げりになります。

海外からの輸入クロスなどは、ハイセンスな色柄のものが多く、ポイントに使うとリゾートホテルのような高級感を出せます。


リリカラ㈱HPより




和紙クロス





・ペイント仕上

ペイント仕上でよく使われるのが、いわゆるペンキと呼ばれる塗料。(専門的には、AEP塗装やOP塗装など)

壁紙が張りにくい場所に使われたり、壁紙に比べて微妙な色が調色できるのが特徴です。

一般的なペンキと呼ばれる塗料の他に、様々な塗料が製品として出ています。

例えば、右写真のポーターズペイント。

普通のペンキでは出せないムラ感や色合いが特徴です。

ペイントも多種多様で、機能性をうたったものもありますが、どうしても塗り厚が薄いので効果に関しては ?

私たちがペイントを採用する時は見た目の質感を重視して使うことが多いです。

ポーターズペイント



・珪藻土仕上

調湿、消臭効果などで人気の高まっているおなじみ珪藻土。

同じような性能のある材料は他にもありますが、珪藻土が人気のある点はやはり手軽に塗れる商品がたくさん出ているというところではないでしょうか。

珪藻土とひとえにいっても多種多様。

ローラーで塗れる、塗り厚が0.数mmのものから、コテで塗る2,3mmの厚みのものなど。

単純な言い方をすると、 厚みが薄いものの方が簡単に塗れて価格も抑えられますが、厚みがない分性能の効果は少なめ。

厚みが厚くなればなるほど価格も効果も大きくなる というイメージです。

見た目に関してもざっくり言うと、 薄いものほど壁紙やペイントに似た雰囲気になり、 厚くなればなるほど、漆喰や土壁などの塗り壁に近い雰囲気になります。




・漆喰仕上

調湿・消臭効果があるとされる漆喰。アルカリ性なのでカビにも強いと言われています。

機能面もさることながら、見た目の風合いや手触りもとても良いです。

漆喰は元々白い材料ですが、塗料を混ぜることでいろいろな色が出せます。

漆喰は左官さんという職人さんに塗ってもらうのですが、色味や仕上がりの質感などは職人さんの技量によって大きく差が出ます。

色付きの漆喰は特に美しく仕上げるのが難しく、技術のある職人さんでなければおかしな仕上がりになってしまうことも多々。

最近では、ビニルクロスの仕上がほとんどで、左官さんが壁や天井を仕上げることが減っているため、技術のある職人さんも少なくなってきています。


灰色のネズミ漆喰


漆喰の調色

  
漆喰工場                           高い技術を提供してくれる大前左官さん


・土壁仕上

昔からの伝統技術ともいえる土壁仕上。

土壁というと昔のやり方というイメージがありますが、現在では昔のような土で壁自体をつくるような使い方ではなく、表面の仕上げ材として使われています。

そうすることで、十分な強度や断熱性能を確保しながら、土壁ならではの重厚感や質感、風合いを得ることができます。

土壁で使う土は、産地によっていろいろな色があります。

また、土と一緒に混ぜるものによっても表情が変わってきます。砂・石・スサ・藁など、何をどのくらい混ぜるかで無限のパーターンが出来上がります。

更に、表面の仕上げ方も、
ハケで表面に模様を付けた「ハケ引き」金属のブラシなどでこすって仕上げる「かき落とし」などなど。上げればきりがありません。

自然素材なので化学物質の心配もなく、調湿効果なども期待できる土壁ですが、漆喰同様、左官職人さんの高い技術が必要となるため、価格面ではビニルクロスの数倍はしてしまいます。

存在感のある壁に仕上がるので、LDKの一面だけなど部分的に採用しても十分満足できるものになると思います。


地域によって異なる土の色





面積が大きいため、選ぶ素材によって金額も大きく変わってくる仕上げですが、その分、 素材によって部屋の雰囲気が決定的に変わってきます。

家族が毎日囲まれて暮らす素材を、改めて考え直してみてはどうでしょうか?




お家づくりの実例&ヒント集トップへ戻る